その症状、もしかして脳卒中!?

脳卒中の治療は一刻を争います。特に脳梗塞の場合、発症後すぐであれば、脳の血管に詰まった血のかたまりを溶かす薬の投与により、救命率が上がり後遺症も軽くなる可能性が高くなります。ではいち早く脳梗塞を見つけるにどうすればよいか。
脳卒中の疑いが強いかどうか、ご家庭で簡単に判別できる「FAST」という方法があります。

①Face(顔)
・片方の顔が下がっていませんか?
・口角が下がっていませんか?

「イー」と言いながら口を横に開きます。左右対称に口を開くことができれば正常です。もしどちらかの唇が引っ張られて表情がゆがむ場合は、顔にマヒが生じている可能性があります。

②Arm (腕)
・片方の手が下がってきませんか?上がっても維持できずに下がっていませんか?

まずは目を閉じて手のひらを上にして両腕を挙げて10秒間かぞえてください。正常ならば両腕をあげた状態で維持できますが、マヒがあれば下がってしまいます。

③Speech (言葉)
・ろれつがはっきりと回っていますか?
・言葉が理解できていますか?
・なかなか言葉が出てこないですか?

らりるれろや短い文章、例えば今日は土曜日です。と言ってみてください。ろれつが回らないあるいは言葉が出てこない場合はなんらかの異常があると判断できます。
以上1項目でも該当すれば脳卒中の可能性が70%以上です。time (時間) を確認しすぐに救急車を呼びましょう。

ただし注意点が二つあります。
一つ目は「しばらく様子をみる」はやめてください。症状が軽ければ「休んでいたらよくなるだろう」 自分の中で解決しようとしてしまう。これが取り返しのつかない事態にまで進行する危険性もあります。
二つ目は意識がはっきりしている、または軽いからといって家族が運転する車で病院へつれていくのはやめてください。これは一刻も早く搬送するためであり、また軽症でも途中で様態が悪化する可能もあります。搬送はプロである救急隊に任かせましょう。

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